俺様彼氏と空手彼女
「…っ」
また、この瞳だ…。
嘘のない、真っ直ぐな力強い瞳。
正直、私はこの瞳は苦手だ。
嘘が、つけないから。
目をそらして、イヤって言えないから。
悔しいけど、私
コイツのこと、嫌いじゃないかも…。
からかわれてるって、わかってるけど
わかってるけど
信じたいと思ってしまう自分がいて
ばかみたい…。
「…璃依??」
「「えっ?」」
ふいに私を呼ぶ声がした。私も森崎葵も驚いて、声のした方を見た。
「…璃依が、二人いる??」