俺様彼氏と空手彼女
「今回は、これくらいで勘弁してやるよ」
「な…っなにして…!!」
「じゃーな、おてんば姫。今日は黙って応援でもしてるんだな」
私が突然のことに声も出せずにいると、あいつはまたニヤリと笑って保健室から出ていった。
…ふっ、不覚だっ!!
あんなやつに…っ
でこチューされるなんて…っ
しかも
ドキドキしてる私がいたりして。
「なんだってゆーの、もう…」
いつまでたっても顔のほてりと、あいつの唇の感触が消えなくて
恥ずかしくて
どうしようもなかった。
「何もかも、あいつのせいだ…っ。やっぱ嫌いだ」
その後私は体育祭には出場せずに、みんなの応援をして過ごした。
だけど、どこを探してもあいつの姿は見つけられなかった…。