俺様彼氏と空手彼女
悲哀の雫、相愛の心。
家へと帰るとそこには誰もいなくて、静寂だけが家を包み込んでいた。
お母さんはいつも通り仕事で遅くまでいない。
こんなの、いつも通り。
一人で帰ってきて、一人で過ごす。
だけど
こんなに孤独を感じるのはなんでだろう…??
心にぽっかり穴が開いたみたい。
私、今は一人でいたくない。
不安で押しつぶされそう…。
――…あ、そ。じゃ、いーよ。妹の方かまうから。――
「…っ」
アイツの冷たい声を思い出すたび、胸が締め付けられるように痛い。
「…森崎の、ばか」