俺様彼氏と空手彼女
笑われて、ムッとしたけど
このやりとりが、とても懐かしく感じられて。
嬉しくて。
森崎が、私を包み込んでいた腕を解いてくれた時
顔をあげ、視線と視線を交えて幸せのあまり、つい顔がゆるんでしまった。
そしたら、
「…っ!?」
森崎は何かに驚いたようにたじろぐと、くるりと背を向けてしまった。
…え??
「森崎…??どうかした??」
「い…いや。なんでもない」
明らかに様子が変だった。
「もりさ…」
「HRが始まるし、もう教室行った方がいいんじゃねぇ?」
「え…、あ、うん。そうだね…って、あぁーーっ!!?」
そこで私はようやく、自分がどこで何をしていたのかに気付いたのだった…。