今日の空も青かった

「君っ!!」


ものすっっっごくキラキラした目をした加藤さんが私の手をつかんでいた。


「俺とコンビ組もう」


「おことわりします」


俺ふられてしまったわーと笑う加藤さん。というか関西弁練習より先にまず相方みつけなきゃでしょ。いや、そんな試験ないけど。きっとさっきの関西弁の試験うんぬんはやっぱりボケなんだよね。


「鈴ちゃん鈴ちゃん」



三島さんに手招きされた。


「はい?」


「(こそっ)さっきの話、あいつ本当に信じているから」



加藤さん。あなたはボケはボケでも天然ボケだったんですね!!!!





「んで、自分なんて名前?」


「すみません名乗らずに。2年5組に編入してきました斎藤鈴です」


「ほー、転入生か、よろしゅうな」


「よろしくね鈴ちゃん」


「はい!…あの、さっきから気になっていたのですが、三島さんってお会いしたことありましたか?」



さっきの会話もそうだが三島さんは私を"知っていた"話し方をしていた。それに…



「先ほど呼ばれたとき、私まだ自己紹介してなかったですし…」


あのとき私は確かに「鈴ちゃん」って呼ばれた。


「何でだと思う?」


「実はエスパーとか!」


「なんでやねん!!」


あっ加藤さんにつっこまれた。


「残念ハズレ。また今度教えてあげるよ」


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