1/5の罪と傷、6%の生きる糧
私って、いい加減?

それは違うと思う。

騙しているのはお互い様で、

騙されているのであれば

悪いのは騙された側だ。

私はフェアーな女だから、

騙されたって文句は言わない。

恋愛はゲーム要素満載の

人生の媚薬。

手駒なんて表現しても

彼らが私という人間を見てくれて

私を魅力的だと感じて、

損得関係なく私を好きになって、

心にとどめておいてくれる。

そういう相手でなければ、

私の手駒にはなり得ない。

私にとって手駒という存在は、

■ 私を助けてくれる

■ 私に彩りをくれる

■ 私を支えてくれる

■ 私を人生の隅っこに置いてくれる

■ 私が生きている事を証明してくれる

とっても貴重な存在で、

私は彼らの人生に少しだけお邪魔して

支えられて生きてきた。

そんな3年間の生活は楽しかった。

どこか日本社会にフィットしない同類の

とびきりかっこいい友達たちにも恵まれ

あの頃の私は、適当に3カ国語を操り

様々な人に出会い、

たくさんの経験を積んで、

新しい文化や語学を学んで、

香港という都会は、

とても刺激に満ちていて、

私は、私の望んだ人生を送っていた。

望み通りの生活を手放したのは、

仕事に挫折をして

日本に帰らざるを得なかったから。

只、根性が足りなかっただけのこと。

それでもしがみつけば、

幾らでもしがみつけただろう。

叶わない願いなどどこにもない。


本当のところ、

何故か私はとても寂しくて、

それに耐えられなかった。

欲しいものは手に入れた筈なのに

欲にはきりがなくて貪欲であればある程

崖っぷちに1人で立っているような感じが

いつもして、気が狂いそうだった。

私は、そんな私に俯瞰しながら、

「さすがにちょっとやばいかも。」

そう思ったから、

帰国して一度仕切り直す事にした。



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