1/5の罪と傷、6%の生きる糧
桜が開花しはじめた真昼のある日

バイトに行くために駅へ向かった私は

駅のホームに咲く一本の桜を見た途端

いきなり、涙がどばっと出た。

それは予感というより直感で、

言葉で例えるのであれば、

『私は大丈夫。また海外にも行ける。

近いうちに絶対にそうなるから、

もうすぐだから。』

そういう感じだった。

感覚で例えるなら、

肩胛骨あたりにある私の見えない羽が

また生えたという感じだ。

その直感には、

久しぶりに聡という人に興味を持った

私の気持ちがリンクしていたかもしれない。

只の幻想かもしれない。

どこかふわりと宙に浮いたかのように

夢見がちな私の事だ。

どういう風にでも飾り立ててしまう。

それまでずれていたピントが

ぴったり合うかのように

私の目に桜が映って、

その美しさに涙がこぼれる

私の感受性もヒロイン思考も、

私でさえうんざりするほど

強いとは思った。
< 13 / 93 >

この作品をシェア

pagetop