1/5の罪と傷、6%の生きる糧

周囲から言わせれば、

私はとても理想が高いらしい。

分別のつかない学生ではない私は、

私が惹かれる「何か」がなければ

精神的に弱ってない限り肉体関係は持たない。

これまで、私から関係を迫った事は皆無で

言い寄ってきた相手を見てから便乗する、

これが私の通常の恋愛スタイルだった。


私の聡に対する興味は、

そういう恋愛とは、また次元が違った。

あまり人の事には干渉しない私が、

惹かれる事が止められない程の男である

以上、確かにその顔は良い部類だし、

背も高くて服のセンスも合格だ。

でも、それだけではない。

彼は、高校中退にも関わらず

その発言の端々にはお勉強が得意な

タイプだけが有する優れた知性とユーモアを、

あっさり人生を諦めるヤンキーごときに

絶対に出せない人としての品格を、

中途半端な人生を送っていないからこその

葛藤さえも持ち合わせている様にみえた。

その見た目も、彼の独特な雰囲気も、

明らかに女にモテそうなのに彼には

そういった華々しいオーラがどこにもなく、

そういった全てが更に私の興味を

煽る要因になった。





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