1/5の罪と傷、6%の生きる糧
翌朝、就業時間前に

メールをチェックすると、

彼からメールが届いていた。

『Re:
志保さんが妊娠しているのであれば、僕は責任を取ります。只、サイパンに行くにも時間がかかりますし、どうすればいいかをまずは相談したいです。すぐにでも電話したいのですが電話番号を知らないので、教えてもらえますか?』


このガキは完全に世の中を舐めている。

私がこうやって渡航するまで

このホテルでの就職を決めるために、

どれだけ時間を要したか知りもしない。

英語もできない、学歴もない中卒が

どうやって来られるとでも

いうのだろう。

私がそう思ったのは間違いない。

だけど、彼の『責任を取る』

というたった一言が、

中絶しか考えていなかった私には

とても嬉しかったのと同時に、

彼は責任を取りたいだけで

私を好きなわけではない、

そう言われた気がして

とても悲しくなった。




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