1/5の罪と傷、6%の生きる糧

「だって、あなたはその命が要らないのでしょう？私は欲しい。子供が欲しいの！ねぇ、絶対大切に育てる事を約束するわ。そしてあなたに迷惑を絶対かけたりしない。私は、フィリピン人で確かに日本人程お金があるわけじゃない。だけど絶対にその子を大学にまで行かせてみせる。私には夫がいるし子供を夫婦でちゃんと育てられる環境があるの。だから、その子を不幸になんてしない事をあなたに誓うから、お願いだから私にその子を頂戴よ。」

「そんな・・そんな事ができる訳、ないでしょう？」

「ちゃんと聞いて？私は、命を殺す事と生かす事について話しているの。私のように子供が欲しくてもできない人もいて、あなたのように子供ができても必要じゃない人もいる。だけど宿った命を殺す権利がない事をあなた自身がしっかり理解しているからこそ、そんなにも辛くて苦しそうな顔をしているのでしょう？そして私は、子供がどうしても欲しかったの。だからこれは運命なのよ。どうか私にその子を託して。」

「・・・ギルダ。本当に、本当に、ごめんなさい。私にどうか、考える時間を下さい。今すぐに、答えを出す事はできません。」

「分かったわ。だけど、神に誓って私は本気であなたにオファーをしているの。その事を忘れないで。」

「・・・ええ、決して忘れないわ。」