1/5の罪と傷、6%の生きる糧
電車に乗って、

ホテルに戻るまでの道のりで

完全に麻酔が切れていったのに、

私の視界はピントがぼけたようだった。

音もいまいち良く聞き取れなかった。

歩いている途中に花屋があって、

何となく花を買った。

それはリンドウで、

ホテルに帰ってきて意識が確実に戻った私が、

『一体なぜこんな花を買ったのだろう?』

と思い花言葉を調べてみれば、

悲しんでいるあなたを愛する、

というものだったので

こんな所まで、私の気分にそった花を買った

自分のセンスと勘の強さと

ずうずうしさに呆れて何も言えなくなって

隣にいた号泣女には、むかついたくせに

私もまた、泣いてしまった。
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