1/5の罪と傷、6%の生きる糧

Reunited

有休で日本に帰ってきたのは、

9月の事で、2年半ぶりだった。

日本のあまりの都会ぶりに恐怖を感じた。

サイパンに慣れるというのは、そう言う事だ。

自然に癒されて、きれいな海と空に

包まれて生きる事にすっかり慣れた私には、

電車から見る景色さえ驚きで

地下鉄の空気の悪さに、吐き気を催した。

田舎だと思っていた地元でさえ、

近代的な都会にしか見えなかった。


久しぶりに、家の近くの神社へ足を運ぶ。

この場所だけは、変わらなかった。

「ただいま。」

そう呟いて、お参りをした。



人は変わる。

私はいつの間にか

田舎が大好きで、

自然の中に居る事を好むようになった。

あれほど大嫌いだった料理が、

日常的にできるようになり、

家事が大好きな、

随分と家庭的な女になっていた。


ぽっちゃりだった体重は激減したらしい。

再会した両親がとてもびっくりしていた。



私は、私の恋人にとても感謝していた。


「よくもまぁ、あんなダメ男についていけるね。」

と散々周囲から言われてはいたものの、

彼がダメなんじゃなくて、

私と居る彼がダメなんだろうという事は

分かっていた。

何回、浮気されただろう。

私は、どれほど泣いただろう。

どのみち、潮時だった。



今回帰国を決めたのは、日本に帰るため。

今、ちゃんと日本で仕事をしておかなければ

将来的に私が苦しむ。

この後で、海外に行くにしても、

20代の内に日本での職務経験を積まなければ

その後の就職がむずかしくなる。

このまま1人で生きるにしても、

後悔する事になる。


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