1/5の罪と傷、6%の生きる糧
Inexpiable sin of 6%
「うそ、ゴム破れてるよ!?」
「うわっ!本当だ。」
「信じられない・・・」
「ごめん。」
私がこの人と決めた相手に、
私の両親は文句は言わない。
職場までの長い通勤時間を
短縮したかった私は、
一人暮らしも考えたけれど、
聡との付き合いは順調で、
同棲の話もあっという間に了承を得て、
私は数週間前から
彼と一緒に暮らしていた。
私には、
ルームシェアの経験も何度かあるし、
これがはじめての同棲ではないからこそ
うまくやっていける自信はあった。
それなのに、
私の機嫌は悪かった。
これまでは喧嘩なんて
してもすぐ仲直りしていたのに。
いつでも優しくできていたのに。
理由は簡単だった。
まずは、実家に長居しすぎて、
ルームシェアの感覚を忘れすぎていた。
だけど、週末婚みたいに
これまで彼の部屋に入り浸っては
家事をこなしてきた私には、
それよりも大きな理由があった。
今の私は仕事に集中しすぎてる。
帰国後に私が選んだ仕事は、
ホテル業ではなく外資系不動産業で、
理由は、
適当に英語が使えて
残業なしで
正社員。
聡との時間を大切にするためだった。
ホテル業では休日がずれるし、
あんなにも大変な仕事なのに、
給料があまりにも低すぎる。
その分魅力的な仕事には間違いないけれど
結婚も意識していたし
結婚するからには、
彼だけの稼ぎでは不十分だし、
この仕事は、両立するのにも
ちょうど良かった。
はずなのに、
私の役職が上がってから、
私の環境は全てが変わった。
仕事が楽しかった事もあるけれど、
やらなければクビを切られる、
それが怖かったのも事実。
とにかく、私は必死だった。
多分、ここから二人の感覚が
ずれた。