1/5の罪と傷、6%の生きる糧
仕事に対する価値観は、

全く合わない二人だった。

私達は、二人とも

仕事に手を抜くタイプではない。

付き合いはじめて

一緒にバンケットで仕事をしていた時は

息がぴったり合った。

ただ、要領がいいのは彼のほう。

私は本当に手が抜けないのだ。

そんなにもできる人間ではない事は

私が一番良く知っているから。

某IT企業に再就職した彼は、

オタクっぷりを発揮して

彼に似合った職場で、

バリバリと働いていたけれど

彼は私によく注意をしていた。

「雇用されているだけなんだから、会社に飲み込まれてはいけない。何のために生きてるの?自分をなくしてしまうよ。」

それは当たっているけれど、

多分一流とよばれる企業に居て

その中で役職がもらえているのに、

私の会社のIT設備のことも

ざっくりと説明したら

色々と分かるようで、

彼が私の会社を気に入らないのは事実で

「それはぼったくりだろう。」

とよく言っていた。

悔しいけれど、彼は正しかった。








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