うちの危険な大型犬
……え? 何この状況?

あまりのことに一時茫然とその顔を見上げる。

そいつはすっと通った鼻筋にとがった顎をした精悍な顔立ち。

大きめの目ときっちりした二重瞼がまだ幼さを残してる感じで。

あ、割といい顔。私より年下かな? なんて……。



――って、そうじゃないだろー!!

慌てて飛び起きるとそいつはすっとよけて頭突きを回避。

で、


「おはよう、佳奈ちゃんv」


とのたまった……。




――は? なんでこいつ私の名前知ってるの?

なんて疑問を抱いてる間に


「身体大丈夫? ご飯できてるよ、食べられる?」


と心配そうに顔を覗き込んでくる。


ご飯だー!? ちょっとまて、何のんきなこと言ってるの!!


「あ、あんた、だ、だれ――」


ごっ、ごほっ、ごほっ

叫ぼうとしたとたん、むせた。


「あ、大丈夫!? すぐにお水持ってくるね!」


その男は速効で目の前から消えると、数秒もたたないうちに水の入ったコップを持ってきた。

そのコップを奪い取り、一気に飲み干す。

ああ、のどかわいてたんだ。ただの水だけど生き返る~。

なぜかその間、男に背中をさすられていたりするが……。

私は、ベットサイドのデーブルにドンと空になったコップを置き、とりあえず、状況把握。

得体のしれない男からずりずりと離れつつだ。

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