うちの危険な大型犬
まずは身の安全と身体の確認。

うん、ちゃんとブラウスもスラックスもはいている。

ごにょごにょをやらかしたような形跡もない。

ちらりとゴミ箱も確認するが、大量のティッシュとかそういう禍々しいものもない。

よし! 後はこいつの確認だ。

私はその精悍な顔をびしっと指さして叫んだ。


「あんた、誰!!」

「え……」


やつはそれを聞いて豆鉄砲を食らったような顔をする。

う~ん。そんな顔されると、大きめの目がくりっとして、髪の毛も薄茶色だし、なんかゴールデンレトリバーみたいな感じだ。

そんな場合じゃないけど、なぜか母性本能をくすぐられる。


「……昨日のこと覚えてないの?」

「……昨日のこと?」

「一緒に寝たのに……」


の、NOooooooーーー!!!!


「佳奈ちゃん離してくれなかったんだよ?」


うぎゃーーー!! 明らかに年下の男に何やらかしてんだ私!!


思わず頭を抱えてのたうちまわる。

う、なんか頭痛がしてきた。てか、超いたい。ガンガンするんですけど……。


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