うちの危険な大型犬
――ブン!!


気が付いたら、つかんだ枕を振りかざし、そいつの顔面をぶん殴っていた。

ひっくり返ったそいつを速効で飛び越え、居間の電話機に飛びつく。

こういう時はどこに連絡だ? あ、警察か! 100番!!

慌ててボタンを押そうとしたら、やつが背後からはがいじめにしてきた。


「ちょ、はなせ! ストーカー!!」

「え? ストーカー?? 違うよ、落ち着いて佳奈ちゃん!!」

「これが落ち着いてられるか! 身の危険が迫ってるのよ!」

「俺はストーカーでも変質者でもないから! 何もしないから!!」


――あん?


「なに、違うの?」

「違う違う! とりあえず、落ち着いて話し合おう」

やつは、私を無理やり座らせると、その前に正座して言った。

「えっと、俺は高岡響。佳奈ちゃんの幼馴染です」

……

…………

……………え、


「えーーーーーっ!!」


思わず私は絶叫していた。


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