うちの危険な大型犬

「ちょっと待って、あの鼻たれひび坊!?」

「……そんな昔の呼び名やめてほしい」

「え、いや、ごめん。にしても本物? なんか面影なくない?」

「本物だよ! ほらこれ見て!」


差し出されたのは学生証。

表紙にはT大学付属高校の文字。

ってあら、進学校じゃない。頭良くなったのねー。

そんなおばさん臭いことを考えながら一枚めくると、顔写真と名前の入ったカードが挟まれていた。

うむ。確かに私の年下の幼馴染の名前が。


「いや、悪い。にしても、ちょっと成長しすぎじゃない? いまなんセンチあるの?」

「180くらいかな?」

「でか!! 私より15センチも上じゃない! 何食べてそんなんなったのよ!」

「いや、普通に食べてだよ。」

「はー。しかし、あのいっつも私の後ろをちょこちょこついてきた、お隣の響くんがねえ……」


こんなに大きく、しかもこんなにカッコよくなっちゃって。

月日がたつのも早いものだわあ~。

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