うちの危険な大型犬
たぶん、ほんの一瞬のことだけど、私はスローモーションのように感じていて。


……いったい何が起こった?


茫然としていると、響が私の目を見ながら話しかけてくる。


「俺、昨日18歳になったんだ。」

「え? あ、ああ。おめでとう?」

「うん。でね、佳奈ちゃんが大学行く時にお婿さんにしてって言ったら、
 佳奈ちゃんが『あんたが結婚できる歳になったら考えてあげてもいいわよ』って言ったんだよ」

……は?


「はあーーーーーーーーーーー!?」


そんなこといったのか、私! いや、しかし、無効だろう無効。


「ちょっと待て、そんな大昔のことあんたなんで覚えてるのよ!」

「夢だったから」

「夢?」

「そう、佳奈ちゃんのお婿さんになるのがずっと昔からの俺の夢」


―――だからね、

「俺と結婚してください」


はっ、

「はい~~~~~~~!?」





こうして、私の、この年下の幼馴染響に懐かれ、振り回される、苦難の日々が始まったのだった……。



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