つぶやき

31_鎮魂


古の昔

大きな災害や
長引く飢饉の後

一族の長は死んだ者の魂を鎮めるため
母なる大地の怒りを静めるため
寺を建立したと聞きます

それは多分
人々に食と職を与える
政治的な施策でもあったのだろうけれど

こう毎日雷雨が続くと
なんだか
叱られているような気がするのは
わたしだけでしょうか?

どんな綺麗ごとを言っても
喉元過ぎれば熱さ忘れる
それは今を生きる
人の常なのだろうけれど

それでもこの短期間に無くなった多くの人々の
報われない思いや
悲しみを
忘れてはいけないのだなと

今の日本の長たる者達には
そういう気合が欠けているのではないだろうかと

それは単なる
国の復興の道筋を整える
というだけでなく

人間的な温情と労わりと
鎮魂に徹する真摯な姿を
国民に示す必要があるのではないかと

それが国を一つにまとめる
ということなのではないのかと

雷神の怒りに
耳を傾け
思う今日この頃……
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