つぶやき
27_追悼ワンビキ
ワンビキさん
助けてあげられなくて
ごめんなさい
私の目の前で
天に召されたあなたに
追悼の意を捧げます
夕闇迫る街道で
私の自転車の前を歩いていた
あなた
ワンビキことヒキガエルさん
びっくりしましたよ
轢くかと思いましたよ
驚く私を尻目に
あなたは悠々と先を急いでおられましたね
道を隔てたその向こうへ
運悪く
車が立て続けに三台ほどやってきました
最初の一台は
あなたに気づいて減速し
少し道の端を避けて通っていきましたね
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間
次の一台はその後を走り抜けていきました
次の車のライトで照らされた道の上に
あなたの歩く姿を確認した時は
良かったぁ
と思ったのです
嗚呼
その時
どうにかして
あなたの存在を次の車に知らせることができたなら
あなたは逝かずに済んだのに
次の瞬間
プシュ
と
まるで風船が割れるように
あなたの小さな身体は
タイヤの下敷きとなりました
願わくば
召された天国に
安住の地を見つけられますように