白虎連合Ⅰ
seasonⅠ
昼には人で賑わうこの街も、夜になればヤンキーだらけ。
道座り込みナンパ待ちをしている女の子、ナンパをする男。
車にスピーカーを持ち込んで爆音を流す奴や、バイクで暴走している奴など人それぞれ。
そしてそれ等を取り締まる警察はいない。
見て見ぬ振り。
それを横目に横断歩道を渡りながら私はゆっくり歩く。
ミルクティー色の明るい髪に、少し濃い化粧。
腰までのワンピースに短パン、ブーツ、そして薄い黒の上着を羽織っている。
見た目はギャル、けれど中身は全然違う。
「ゆいさん、総長がお待ちです」
「うん、知ってる」
街の中心の道路に一際目立つ集団。
バイクの数や車の数が他の族とは全然違う。
沢山のバイクのライトが私を照らす。
「遅かったな、ゆい」
白虎連合
それが私の三つの内の居場所の一つ。
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