白虎連合Ⅰ
魔の手
夏に比べて秋は太陽の沈む速度が速い。
いつの間にか夕日になり、私はバイクを走らせていた。
「………ここ、か」
キュッ、とバイクを止めて小さな病院の脇に止める。
龍程の大きさはなく、それでも原付よりは大きい。
私専用のバイク。
英寿くんからの貰い物。
「白虎幹部、華風ゆい」
病院の一室の前に立っている女二人に声をかける。
私に気づいたのか、彼女達は頭を下げて病室の扉を開けた。
「ゆいさん、」
大部屋のベットは全て埋まっていて。
そのベットに横たわる一人の女が私に声をかけた。
「夏美、大丈夫?」
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