白虎連合Ⅰ
やっと教室に着いて鞄を置いて、席に座る。
私の席は窓側である意味特等席。
「ゆい、めっちゃ怖がられてるやん」
「なー、なんでやろ」
「あんた近寄るなオーラ出してるからっ」
あははっと笑い、私机に腰掛ける。
私と同じくらいの髪色に、二つに縛ってクルクルと巻いていて。
ブラウンのカラコンが似合う見た目完全ギャル。
水嶋紫織(みずしましおり)。
「でも紫織がいるからそれでいいわっ」
「あたしもゆいがいるなら十分」
紫織は結構サバサバしていて、友情は狭く深くがモットー。
そんな紫織が大好きで、私は彼女の前だけ笑う。
高校入学で誰も私に声を掛けない中、紫織だけが声を掛けてくれた。
高二の今でも、親友。
「にしてもモテるなー、アイツ」
「アイツ?」
「アイツよ、アイツ」
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