白虎連合Ⅰ






「にしても偶然やなー、こんなマイナーな病院で」


「本間やね」


「てかゆいちゃん、今日暖かいのにそんな厚いの着てきたん?」


「え?」






彼の指差す方向を見ると私の左手。

持っている特攻服は確かに厚くて。

…文字とかは見えてないし、多分特攻服やとわからんと思うけど。






「そうやねん、ちょっと風邪気味で」


「え?そうやったん?」


「そうそう」






せっかく皆が私を白虎って内緒にしてるねんし、合わせといた方が無難。

なので適当に嘘を付き、軽い笑顔を作っといた。






「じゃあうち行くな」


「ほな月曜なっ」


「うん、ばいばい」





手を振り、再び出口を目指す。

振り返ると悠介くんはもういなくて。



病室近かったんかな?









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