白虎連合Ⅰ
先程より落ち着いた雄大さんは私の目の前に立つ。
私も顔を上げて、視線を逸らさず真っ直ぐに雄大さんを見た。
「北区担当を受け持ったんは誰や」
「私です」
「あのっ、雄大さん!!!」
「龍、黙れ」
私の顔を見たまま、一言で龍を静める。
龍も何かに耐えるように、口を閉ざして。
「下の責任はお前の責任や」
雄大さんの拳が私の頬に食い込む。
手加減は一切なし。
それをしてしまえば私の為にも、チームの為にはならない。
「ゆいさん!!!」
殴り飛ばされ、着いた場所はベンツの手前。
直ぐに龍が来てくれたけど、そう簡単に起き上がれるほど軽くない。
口中に鉄の味がした。
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