白虎連合Ⅰ






コンコンと窓を叩かれ、見上げると龍。

まるで早く開けろ、と言わんばかりに何度も窓を叩いて。






「なに?」


「見つけたから呼びましたっ」


「見つけたも何も、此処にいるん知ってるやん」


「あ、バレました?」






ヘラヘラ笑う龍を見て溜め息を付き、ドアロックを解除する。

するとすかさず龍はベンツの中に入って。






「おいコラ、犬は出ていけ」


「英寿さん!!!犬ってなんすか?!」


「キャンキャンうるさいって、ボケ」


「雄大さんもひでぇ!!!」





今日も金髪を跳ねさせ、大きい声で吠える。

その伸びた襟足ゴムでくくったろか。







「あ、」







タバコを吸おうとして箱を開けると、一本もない。




さっき蓮が買いに行ったとき頼んだらよかった。








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