白虎連合Ⅰ
ずっと校門で待っていたのか、黒澤くんの足元にはタバコが数本落ちていて。
まだ吸いかけのタバコを地面に落とし、私に近付いてきた。
「ちょっと時間作れる?」
控えめに声を掛けてきて、その表情は心なしか固い。
いつものように無視すればいい。
私達は知り合う前に戻ったのだから。
「嫌、って言ったら?」
「話聞いて貰えるまでストーカーする」
「警察呼ぶで」
「じゃあ拉致」
「……………」
でも何故か断る気になれない。
話だけ聞いて、さっさと帰ろ。
これからもまた話しかけられても困るし。
そう理由をつけて自分を正当化させる。
「ちょっとだけやで」
「ありがとう」
ちょっと、話を聞くだけ。
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