白虎連合Ⅰ
素朴な疑問を彼にぶつける。
私には分からない、黙った意味が。
過去にあったギャル軍団事件の時は、隊員が黙っておくように念を押してくれたから大丈夫だったけど。
黒澤くんはそんな事されていない。
「なんとなく言わへん方がいいかなって」
「……………」
「水嶋も知ってるんやろ?ゆいちゃんの事」
「うん」
「せやし、水嶋が黙ってるって事は俺等も黙った方がいいと思ったから」
これでいい?と笑顔で聞かれ、私は何も返事をしなかった。
以前の私なら、きっとありがとうと言っていた。
けど、今は黒澤くんが分からない。
噂を聞いて私に近付いたと言ったくせに。
じゃあなんで今そうやって守ろうとすんの?
「それじゃ、そろそろ俺の話していい?」
中身が無くなった缶コーヒーを地面に置く。
私の貰ったミルクティーは少しぬるくなってしまって。
「俺がゆいちゃんに近付いた、本当の理由のね」
大きく、風が吹いた。
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