白虎連合Ⅰ
黒澤くんの口振りから、きっとその人は白虎じゃないと思う。
けど地元の人間でもない。
過去の知り合いで私を心配するような人、いない筈なのに。
「頼まれてん、その人に」
「何を?」
「その噂が本当かどうか確かめてくれって」
じゃあその話が本当だとすると、黒澤くんは。
その人に言われて…。
「噂は俺も知ってたから簡単に引き受けた…けど、」
「けど?」
「ゆいちゃん近寄るなオーラ出しすぎて、なかなか難しくて」
ははっ、と笑う黒澤くんの声が公園に響く。
私は逆にきょとん、としていて。
「俺結構近くにいたのに気付かへんかった?」
「?いや、全然」
「まぁゆいちゃんから声掛けてくれて嬉しかったけど」
私と黒澤くんが始めて喋った日。
確か黒澤くんが赤ペンを忘れて、私がそれを貸して。
それでその時私は黒澤くんが隣の席だって知った。
でも彼は、
「俺は隣が華風さんって知ってたけどな」
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