白虎連合Ⅰ
あの時言われた台詞と同じ言葉をかける。
その表情はとても優しくて。
「ゆいちゃんと仲良くなって分かったけど、噂は嘘やったわ」
「…………」
「全然チャラくないし、逆に自分をしっかり持ってる」
「そんなこと、」
「伝えたよ、その人に…噂は噂でしかなかったって」
「そしたら…?」
知らない人の反応を知りたい私はおかしいのだろうか。
でも、今は気になってしょうがない。
「安心したって言って笑ってた」
黒澤くんにとって、その人はどんな人なんだろう。
信頼して、信用しているのが伝わってくる。
尊敬してるねんな、その人の事。
「ゆいちゃんに俺、せっかく信用してもらったのにさー」
「うん?」
「アイツが誤解されるような事言うし」
「あぁ、友達ね」
「まぁ何も言わへんかった俺も悪いけど」
下を向いて、彼は溜め息を吐く。
私はそれを見ている事しか出来なかった。
.