白虎連合Ⅰ







「いやーんっ!!!ゆい可愛いっ!!!」


「……………」


「ほらムスッとしないのっ!!!」







文化祭当日、学校中が最終準備でバタバタと動いていて。

勿論それは私のクラスも同じ。





窓に段ボールを何枚も貼り付けて、カーテンは黒い布に切り替える。

照明は誰かが持ってきた洒落たやつで、教室に流れる曲も誰かが持ってきたもの。



そして私と紫織はというと。








「やっぱりゆいは白似合うと思っててんっ」


「そんなことないし…」


「ほら髪飾りつけてあげるなっ」


「…はーい」







鏡に写る姿はいつもの私と全然違う。

ていうか違いすぎる。






真っ白のロングドレスにはスリットが入っている。

そしてそのスリットには真っ白な花のコサージュが覆われていて。



筋盛りに盛り盛りと巻かれた髪。

元々長い髪は巻かれているので胸下の所で留まっていた。



最後にこれまた大きな白い花のコサージュが髪につけられて。








…鏡に写る貴女は誰ですか?








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