白虎連合Ⅰ
結局背中に痛い視線を浴びながら入り口の手前まで歩く。
黒い布の向こう側は真っ暗で何も見えない。
このお化け屋敷は遊園地にある本格的なものじゃない。
文化祭の出し物で、高校生がやっているもの。
そう思えばいける、いけるはず。
ゆっくりと黒い布に手を掛けた。
、その時。
「うおっ…!!!」
「……………」
教室の中から雄大くんの驚いた声が聞こえる。
いやいやいや。
雄大くんが驚くぐらいってなに?
やめよっかな。
辞退しよかな。
うん、やめよ。
「英寿く、」
「うるさい」
「ぎゃっ…!!!」
ドンッ!!!と背中を足蹴りされて教室の中まで蹴り飛ばされる。
視界は入り口から真っ暗へ。
…中に入ってしまった。
「帰ってきてみろ、ベンツで引きずり回してやるからな」
鬼の言葉を残して。
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