白虎連合Ⅰ






チャイムが鳴り、授業が終わる。

教科書とノートを閉じて席を立った。






「あ、華風さん」


「なに?」


「赤ペン」






同じく席を立った黒澤くんに声を掛けられ立ち止まる。

手に持った赤ペンは私に向けられていて。







「あー…放課後返してくれたらいいよ」


「え?なんで?」


「また授業で使うかもしれへんやろ?」






昼休みが終わってからも授業がある。

もし使う事があって誰かに借りるよりも、借りてた方が楽じゃない?






「わかった、ありがとう」


「じゃあね」






紫織がそこまで迎えに来てくれたので、別れを告げる。

彼は最後まで笑顔だった。









これが、初めての接点。









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