白虎連合Ⅰ






『大丈夫やから、』


『遊びに誘われて、そしたらワゴン車が後ろで止まってて』


『…うん』


『そのまま…連れて行かれた』






溢れる涙は流れてくれない。

瞬きをしても、何をしても。




私はもう、泣けなくなってしまっていた。







『明日送ってあげるから、今日はもう寝な』


『は、い』


『さ、どうぞ』







ソファーに寝転び毛布をかけてもらう。

雄大くんは肘掛けに座って。





撫でられる頭が心地いい。





目を開けると英寿くんはまたタバコを吸っていて。







私はまた、目を閉じた。








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