白虎連合Ⅰ
『あ、あの!!!』
バイクに跨り、鍵を射し込もうとした時に声を掛けられる。
顔を上げるとさっきの男の子で。
走ってきたのか肩で息をしていた。
『なに?』
『あの、ありがとうございました!!!』
『別に』
『お名前教えて貰っていいですか?!』
着ている制服を見る限り、ここら辺の中学生だと思う。
金髪の髪は少し長くてストレート。
喧嘩でやられたのか、顔や体には血が付いていた。
それなのに彼の目はキラキラ輝いていて。
『華風ゆい』
『え?!マジですか?!白虎連合の?!』
『そう』
『うっわー!!!本物とか!!!』
彼は興奮しているのか目を丸くさせて。
先程やられていたのが本人なのかと疑いを持たずにはいられない。
『あんたの名前は?』
普段聞かない事を口に出す。
聞こえたのか彼はニッコリ笑って。
『白咲龍です』
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