白虎連合Ⅰ
龍、ね。
分かった、とだけ言って再び鍵を射し込もうとする。
『俺も白虎連合に入れて下さい!!!』
『は?』
龍の言葉に思わず鍵を落としそうになる。
反射的に手で掴み、落ちはしなかったけど。
なんなん?コイツ。
『お願いします!!!』
『アホか、喧嘩弱い奴なんか無理に決まってるやろ』
『ちがっ!!!あれは…』
『ん?』
大きな声が小さくなる。
顔を見ると叱られた子犬みたいな表情をして。
『いや、そうかもしれません』
掠れた声は段々と消えていく。
けど、直ぐに顔を上げて私を見つめた。
『強くなります!!!絶対に!!!だから俺を白虎連合に入れて下さい!!!』
『……………』
『俺!!!一生華風さんに着いていきます!!!』
真剣な表情には嘘一つない。
何故いきなり私に着いてくるのか分からないけど。
なんとなくほっとけなかった。
『後ろ乗り』
これが龍との出会い。
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