白虎連合Ⅰ
久しぶりに見る実家は何も変わらなかった。
玄関を上げると母はびっくりした顔をして。
リビングで新聞を読んでいた父は目を見開いていた。
『今まで迷惑をかけました』
二人の前に立ち、頭を下げる。
その意味が分かったのか、父と母は泣きそうな顔で私を見ていて。
昔の私は戻らない。
でも私は家族の事を好きなままだった。
本当は悔やんでいた、自分を。
変わってしまった私を。
迷惑をかけたのに意地張って謝れなかった自身を。
『ゆいちゃん、もういいから…』
『お父さんとお母さんにお願いがあります』
『お願い?』
その場に座り、土下座する。
額を床につけて言葉を続けた。
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