白虎連合Ⅰ
よくわからないまま廊下を再び歩く。
なんだかいつもと視線の意味が違うような気がするけど。
うん、気のせい。
「ゆいちゃん」
「あ、悠介」
「停学解除おめでと」
「あぁ…どうも」
一ヶ月ぶりの悠介は何も変わっていなかった。
やっぱり彼は笑顔で。
そういえば最後に話したん喧嘩した時やったんな。
変に気まずい。
「あ、これプレゼント」
「ん?」
「こないだ誕生日やったんやろ?」
「なんで知ってるん?」
花のピアスを貰い、大事に手に持つ。
悠介に誕生日教えたっけ?
全然言った記憶無いねんけどなぁ。
「ん?内緒」
そう言って悠介は笑った。
なんか今日は変な日やな、と頭を再び傾げながら。
私はそれ以上追求はしなかった。
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