白虎連合Ⅰ





不意に声を掛けられ、振り向くと黒澤くん。

鞄を持っている辺りから帰宅するつもりみたいやけど、いつもの仲間がいないみたい。






「めっちゃダルそうに歩いてるから誰かと思った」


「あー、なんかゴミ出ししなあかんくて」


「華風さんがゴミ出し?似合わねーっ」





ははは、と笑う彼の声が廊下に響く。

殆どの生徒は帰っている為、今は私と黒澤くん二人きり。

ってか似合わねーってどういうことっすか。





「あ、丁度いいや」


「ん?なに?」


「ゴミ焼却炉ってどう行くん?」





なんせ私は今まで一度もゴミ出しをしていない。

去年は今より荒れていたので誰も頼んで来なかったし。






「え?知らんの?」


「うん」


「マジか、じゃあおいで」


「ちょっ…!!!」






ひょい、とゴミを持ってスタスタと黒澤くんは階段を下りて行く。

道順教えてくれるだけでよかったのに!!!







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