白虎連合Ⅰ






「ここ?」


「そう、ここ」






そう言い、黒澤くんは焼却炉の前にいた先生にゴミを手渡す。

校舎裏から少し離れた所。

こんなとこに焼却炉あったんや。






「ほな帰ろっか」


「一緒に?」


「ええやん、ほら」





強制的に腕を引かれ、ズルズルと下駄箱まで向かう。

もしかして黒澤くんってマイペース?

そして気か付けば私はそのペースにつられていて。






「わかったから手離してって!!!」


「あ、ごめんごめん」


「はぁ―…」






きっとこの人に何を言っても仕方ない。

なんとなくそう思い、ローファーに履き替えて彼の隣を歩いた。









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