白虎連合Ⅰ
下駄箱を開けたとき、後ろから聞こえた甘ったるい声。
溜め息を着きながらローファーを出して、後ろを振り向いた。
「今度はなに?」
「あんなー、白虎連合って知ってる?」
「あぁ、有名やもんね」
数人のギャル達に囲まれ、下駄箱を背もたれにしながら彼女達の顔を見る。
隣では紫織も面倒臭そうに爪をいじっていて。
学年で、私達とギャル軍団が仲が悪いのは有名らしい。
その証拠に、帰宅する生徒は興味ありそうに私達を見ていた。
めんどくさ。
「それでなー、あたし白虎連合の人と仲良くなってー」
「はぁ」
「今度幹部も紹介してもらえるらしいねんかぁー」
「へぇ」
「やし、華風さんを潰すような頼もうかなーって」
話をぼんやり聞きながら彼女達を改めて見る。
髪はくるくる巻いてるけど、紫織の方が綺麗に巻いてるな。
肌も焼きすぎて痛そう。
「あはっ、怖くなってビビっちゃった?」
.