鏡の彼
第九話 告白
「みんな、じゃんじゃん食おうぜー!!」

 とある焼き肉店にクラスメイトと私は一緒にいた。先生は好みのビールを我慢しながら、水を一気に飲み干す。私達は未成年者。当然お酒と喫煙はNGだ。私達はそれぞれコーラやオレンジジュース、ウーロン茶などの飲み物を伴いながら鉄板に焼けた肉を取り合っていた。最優秀賞おめでとうパーティーの名目だ。

 費用は校長が学校負担としてくれた。ここまでしてくれる校長もそういないだろう。


「こら! 秋本!! こっちは先生の肉だ! いいか? 先生の計らいがなければ、このお肉も……ってお前聞いてるのか!?」


 先生は男子の席にいた。女子、男子とテーブルは別れており、時折先生の嘆き声が聞こえる。どうやら、今度は秋本くんにお肉を取られた模様。

 一方で女子は、みんなでお肉を分け合っていた。男子みたく混戦は無い。体型を気にしている女子もいるが、今日ばかりは解禁日! としていた。


「てか、渡辺さんも純子も細すぎだしー」
 一人の女子が肉を取りながら言った。


「私は、細くないってばー! 細いのは、この子!!」
 指さされて、私は純子をいさめる。


「ちょ、ちょっと! 純子!!」
「確かにねー」
「うん、納得するわー」


 と、次々に賛成する女子の皆さん。

 え……と、私から見れば皆さん十分細い気がするのですが……。スタイルもいいし、その、何も思い悩む必要はないんじゃ……。

 女子の面々を見渡しながら、私は先に思った本音をそのまま口にした。次に、女子の方々から一方的に攻められたのは言うまでもない。

 抵抗虚しく、ゲームオーバーって感じでした……。
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