鏡の彼
『真実を知った私へ――
 お元気ですか? 私は元気です。神様が何かと不便だからって手紙を書く時は成長した姿で書け、と言われてしまいました。神様は聖人君子なんかじゃないみたいです。何かとうるさいし、私が彼の決心を伝えた時は、魂の入れ替えがどうの、こうの、と延々と呟いていました。もうすぐ私はそちらの世界に行きます。そして、彼がこちらの世界へ来ます。何かあった時は彼をよこすのでこき使っちゃってください。私より』
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