鏡の彼
第十三話 優気と希望
 私は三日の間行方不明になっていたらしい。その間、クラスのみんなや警察が捜索をしていたが手掛かりは一向に無く、世間では事件に巻き込まれたのではないか、とささやかれていた。

 しかし、三日目の終わりに私がひょいと現れ、騒動は終結した。私は事情を聞かれたが、変な男に連れ去られたと嘘をついて何とかその場をしのいだ。警察では誘拐した『変な男』を追跡するという。

 だが、数々の事件に埋もれて私の事件は過去の遺物へとなってしまった。

 あれから、何年が経ったであろう。『彼』は消え、部屋には真実を映す鏡がある。

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