鏡の彼
私は母のいるダイニングへと行った。
母は私にパンと目玉焼き、それとサラダを出してくれた。
私は母と二人暮らし。言わば母子家庭だった。父親とは離婚していた。そして、テーブルの隅には一輪の花があり、そこに母が小さく分けたパンとお水を添えた。
「あなたももう高校生なのね……」
そう、呟く母。
私には弟がいた。過去形なのはすでにいないから。父親とは違って弟はすでにこの世にはいない。母が私を産んで弟を産むはずだった。私と弟は双子だった。けれど、私だけが無事に生まれ、弟はすぐに死んでしまった。これを一般には死産と言うべきなのだろうか。
母は私にパンと目玉焼き、それとサラダを出してくれた。
私は母と二人暮らし。言わば母子家庭だった。父親とは離婚していた。そして、テーブルの隅には一輪の花があり、そこに母が小さく分けたパンとお水を添えた。
「あなたももう高校生なのね……」
そう、呟く母。
私には弟がいた。過去形なのはすでにいないから。父親とは違って弟はすでにこの世にはいない。母が私を産んで弟を産むはずだった。私と弟は双子だった。けれど、私だけが無事に生まれ、弟はすぐに死んでしまった。これを一般には死産と言うべきなのだろうか。