オトナ彼氏∞



頬には布の感触


呼吸をするたびにふわりと香水の甘い香りがする



正樹さんの腕が首の後ろと腰にしっかりとまわり、きっちりと密着していた




「…あ」


ようやく正樹さんは我に返ったらしく、私を抱きしめる力を緩めた



私の頬は熟した林檎のように真っ赤


頬だけでなく、全身が熱を持っていた



「…ったく、結花はずる過ぎだな」


「…え?」


恥ずかしくて正樹さんの顔が見られない


聞きたいこと、たくさんあるのに…



「結花、遊びに来たのか?」


「は、はい…。友達と4人で」



私は正樹の足元を見るしかなかった


黒いビーサンが大きなガッチリした足によく似合っていた



「友達って…女同士だよな?」


へ?


「いえ、男女2人ずつですけど」



なんでそんなこと聞くんだろ



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