オトナ彼氏∞



私は家から持参した浮輪を持ち、信の後を追う


夏休みだからか、家族連れが目立つ



「プールとか久しぶりだな…」


「私もだよ」



てか来てもあまり入らないで、ビーチで遊んでるけど



信はザバンとプールに入り、頭まで一度潜った



「きゃっ!」


信が勢いよく水面に顔を出したせいで水しぶきがかかった


冷たい!!



「何してんの?はやく入りなよ」


「ま、待ってよ。心の準備が…」


「ぷっ。心の準備って……」



信は苦笑しながら、濡れた前髪を後ろにかきあげた


…色気が漂ってるのは気のせいかしら



「ほら。大丈夫だから」



信は両手を広げ、私を抱えるようにプールに入れた



「冷たっ!!!」

「へ?普通だろ?」



信は私に浮輪を通し、ニヤリと笑った




「…これで安心だな」



信が何かつぶやいたようだったが、周りの音で掻き消され聞き取れなかった




< 141 / 226 >

この作品をシェア

pagetop