オトナ彼氏∞



一瞬、ぐわりと世界が揺れた


「結花!大丈夫か?!」


私の腕を掴み、息を切らしているのは…



「し、信…」


「こんな遠くまで来やがって…あぶねぇだろ!!」



心配かけちゃった


…そうだよね


もとはと言えば、私が勝手にふて腐れてたんだから



「…ごめっ…ん…」


「…ほら、足つったんだろ?とりあえず戻るぞ」



信は私の浮輪を引きながら、ビーチサイドまで泳いでくれた



情けないよね…



「信…ごめんなさい…」


「俺が呼んでんのに全然気づかねぇし」


うっ…


私かなり嫌なコじゃん



「てかお前ばた足速過ぎだろ。全然追いつかなかった」



そんな特技があったなんて、恥ずかしい

「とりあえず足だして」



ビーチに戻るなり、信は私の右足に触れた


ふくらはぎがビクビクしていて、また、痛い



「…ちょっと触るけど」


「…んっ」



自分の意識とは関係なく、声がでてしまう



「…んっ…いたいっ…」


「が、がんばれ…」



―3分後

信のおかげで痛みはすっかりなくなった


さっすが陸上部!


こういうケガの手当は慣れてるよね!



「ありがとう信!」


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