オトナ彼氏∞
想い
我を忘れて遊んでいたらすっかり暗くなってしまった
「いやー疲れたなぁー!」
「明日は筋肉痛決定だね!」
雄大とりっちゃんは少し前を歩いている
その後ろを私と信が黙って歩いていた
りっちゃん…
もしかして無理して明るくしてる?
さっきから笑ってばかりいるけど、いつものりっちゃんっぽくない
「…里歩のやつ。大丈夫かな」
ふと信が私に向かってささやいた
…信も感じてたんだね
「私も心配だよ。さっきから変だもん」
「余計なこと話しちまったな」
信はすごく反省してるみたいだった
「信が気にすることないよ。信は悪くない」
「結花…」
私は信に向かって笑顔を向ける
信は少し表情をくずして、微笑んでくれた
「んじゃ、俺と里歩はこっちから帰るから」
「…は?」
突然雄大がガシッとりっちゃんの腕を掴み、駅とは反対方向を歩きだした
「ちょ、雄大?!」
「里歩とイイコトしてくるな~♪」
焦るりっちゃんを無視して、雄大はずんずんと歩いて行った
「…雄大のやつ、素直じゃねぇな」
「へ?」
突然のことに私は戸惑っていたが、信にはすべてお見通しだったらしい
「あいつなりに心配してんだよ」
「ああ…。そういうことか」
雄大もいいとこあるじゃん
やっぱり幼なじみはなんでも分かるんだね
私と信は2人を見送り、駅に向かい歩きだした